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第7章 クリスマス


数日後の夜のこと。


hiromi-h-chained.jpg

「・・・ぅ・・・うぅぅ・・・。」

この世の煉獄の如き過酷な牢に
今日も広美の苦悶の喘ぎが鈍く響いていた。

狭く薄暗い牢獄の中、空腹と寒さに苦しむ少女であったが、
何より広美を苦しめていたのは、壁から垂れる鎖に繋がれた
二本の吊り手枷であった。

身動きもままならず、四肢に激しい痛みが走る中、
広美はこの吊り手枷を解いて貰う事を何よりも願っていた。

いや・・・せめて解いてもらうことが叶わずとも、
あとほんの5cmでもこの吊り鎖の長さが長かったら・・・。
つま先立ちのまま吊るされた今の苦痛がどれほど和らぐだろう・・・。

しかし、そんなささやかな広美の願いすら
看守達に拒絶されていた。


-----


ガチャガチャ・・・

そんな折、今日も地下牢の鍵を空ける音が鳴り響いた。
グッタリと俯いていた顔を上げた広美は、
拷問室に連行される恐怖に身を竦ませた。

扉が開くと、いつものように黒装束の看守が2名現れたのであった。
看守の一人がゆっくりと口を開いた。

「小娘、今日はおまえに特別の許しを与えてやる。
 一日だけ、拘束を外すようにとの神父様からのご命令だ。」

それを聞いた広美は、驚きのあまり頭が混乱した。
一体、どういう風の吹き回しなのであろうか・・・

黒装束の男たちは、吊られた広美の両脇に歩み寄り、
広美を拘束する鉄枷の鍵穴に、小さな鍵を差し込んだ。

ガチャリ・・・

重々しい音をたてて広美の分厚い鉄枷が開き、
長時間の拘束で痛々しい痣のついた、広美の細い手首があらわになった。
拘束を外されて、ドサリとその場に倒れこむ広美。

いつもであれば、ここで護送用の別の枷を嵌められるのであるが・・・
今日はそれが無いのであった。
地下牢の中でも、雪道を連行される間でも、また拷問にかけられている間も
常に鎖で縛られていた広美の両手は、実に40日ぶりに自由になったのであった。

長時間の拘束で痛んだ両手首をさすりながら、広美は不安そうに看守に問いかけた。

「一体どうして・・・何があるのですか・・・?」

看守の一人が広美に答えた。

「小娘、魔女のお前は知らないだろうが、今日はキリスト様の生誕日なのだ。
 どんな罪深い罪人であっても、今日だけは神からの慈悲を与えられるのだ。」

そう言うと、手首をさすりながら呆然とする広美を残して
鑞の鍵を閉め、看守たちは立ち去ったのであった。


-----


しばらく経って、
広美は地下牢内で始めて味わう自由を満喫していた。
厳冬の牢の中、半袖ブラウスと吊りスカート姿で辛いことには変わりなかったが、
鳥肌のできた肌をさすって、わずかな暖をとる自由が与えられた。

これまで眺めるだけだったベンチに初めて腰かけたり、
自慰に用いている腰の高さの吊り金具を手でなでてみたりもした。

牢屋の中には、鉄製のベンチと、壁に設置された吊り手枷を除いては
一切のものはなく、両手が自由になったとはいっても
それらを触ってみるくらいしか広美にはすることが無かった。

吊り手枷は、部屋の中に全部で5つあった。
広美は暇つぶしに、それらの中に手を通してみたりした。

5つのうちの1つは、大人の男性用のものらしく
細い広美の手首はスルっとすり抜けてしまった。
設置されている高さは広美の手枷よりもちょっと低く、
大人の男性であれば座ったまま過ごすことができるかもしれなかった。

次の2つは、女性用のものらしく
広美の手首がすり抜けるほどではないものの、ブカブカして余裕があった。

そして、最後の2つが、いつも広美が繋がれている吊り手枷と、
広美が股間を擦り付けて、自慰に用いている枷であった。

広美がいつも繋がれている枷は、大人用のそれと比べて明らかに径が小さく、
小さな子供を縛り付けることを意図しているのは明らかであった。
しかし、その位置は5つの枷の中でも一番高いところに設置されていた。
繋がれた子供が、背伸びをしたままの苦しい姿勢で
吊り下げられることを意図しているようだった。

そして、小窓から入り込む雪が、丁度その位置に舞い降りるようになっており
繋がれた子供をますます責め立てるように、意図してつくられているようだった。
広美は、改めて自分の吊り手枷の過酷さを再認識し、
少し悔しい気持ちになった。


-----


やがて、廊下にガタガタというワゴンの音と、小さな足音が響いてきた。
春香が世話にやってきたのだ。

ワゴンを押しながら、広美の世話に向かう春香。
春香も、普段嵌められている両手の枷を外されていた。
しかし、特に看守からの説明は無く、
春香はてっきり、こっちの方が広美の世話がやりやすいので
外されたものだと考えていた。

だから、地下牢の扉を開いたとき
いつもの吊り手枷に広美が居ないのを見ると、
目を見開いて驚いたのだった。

「広美ちゃんがいない・・! どこかに連れていかれちゃったの!?」

春香がパニック気味になったのも束の間、
広美の吊り手枷とは逆方向にあるベンチの上に、
両手の自由な広美が手を振っているのが視界に入った。
それを見て、春香は2たび驚いた。

春香は、笑顔でベンチの広美のところに駆け寄って
広美の両手を手にとって喜んだ。

「・・・広美ちゃん! よかった・・・
 やっと自由にしてもらえたのね・・・本当に良かった!」

目に涙を浮かべて喜ぶ広美。
しかし、広美は春香に残酷な現実を伝えた。

「・・・うん。 だけど、自由にしてもらえるのは今日だけなんだ。
 キリスト様の誕生日なんだって。
 明日からまたあそこに・・・」

そういって、いつも自分が吊られている手枷を一瞥した。

「・・・そう・・・なんだ・・・広美ちゃん可愛そう・・・」

一気に悲しい顔になる春香。
広美は、春香を何とか元気づけようとした。

「でもね、今日一日自由になれただけでも本当に幸せだよ。
 こうやって、春香ちゃんと手をつなげるし、
 今日はごはんも一緒に食べれるよ!」

そういって、春香の手を握りしめた左右の両手を
上下に揺らした。

そのとき、春香は広美の細い両手首に付いた鉄枷のアザに気が付いた。
春香の両手首にも、うっすらと手枷のアザがついていたものの、
ずっと吊られたままの広美の手首のアザのひどさは
本当に痛々しいものであった。

春香はおもむろに、広美の手首に顔を近づけて
手枷のアザをぺろぺろと舐め始めた。

最初は少し驚いていた広美も、春香のその行為を黙って受け入れた。
いまだ鈍痛が残る細い手首を、春香が舌で丹念にマッサージする。
春香の唾液が、細い手首にしみこんでいく・・・
広美は、まるで聖母さまに癒されているかのような気分に浸っていた。


しばらくして、今度はご飯を一緒に食べようということになった。
いつも、春香に口元まで運んでもらうパンを
今日は自分の手でちぎって、食べることができるのだった。

「春香ちゃん、いつものお礼だよ」

広美はそう言って、ちぎったパンを春香の口へと運んだ。
春香は恥ずかしそうに、そして嬉しそうにパンをほおばっていた。

食事が一通り終わると、春香が

「広美ちゃん、制服を脱いで」

と言い出した。

広美は一瞬、何を言い出すのかと驚いていたが、
春香によると、水桶で広美の服の汚れを落とそうとしているのだった。

広美の半袖丸襟ブラウスと、吊りスカート、それに白いソックスの一式は
これまでにも週に一回程度、看守の手によって簡易的に洗濯されていた。
あまりに汚れていると、広美を拷問する看守にとっても
臭いがして不都合であったからだ。

つまり看守側の都合によって、広美の服は洗濯されていたのであった。
愛情のかけらもない洗濯が行われている間、広美は全裸のまま手枷に吊るされ
ガタガタと体を震わせながら、作業を待たなければならなかった。

しかし今は、看守の洗濯と違って、春香が水桶で
愛情を込めて丹念にやってくれていた。

丸裸の広美には、粗末ながらもタオルを巻いて
寒さをやわらげるように配慮さえれていた。

春香は、桶の中で丹念な水洗いを終えると、しっかりと水を絞って、
今度は広美の制服を体を使って抱きしめた。
そうやって、自分の体温で広美の服を暖めようとしているのであった。

広美の制服からは、ほのかな広美の香りと、わずかに残る汗の匂いがただよっていた。
春香は愛おしさに近い感情を抱きながら、広美の制服を抱きしめていた。

しばらくすると、ヨゴレの大部分が落とされた、夏制服一式が
広美の元に戻ってきた。

「春香ちゃん! ありがとう!」

広美はそう言って、半袖丸襟ブラウスに袖を通しはじめた。
次に吊りスカートを身につけ、最後に白いソックスを履いた。
戻ってきた制服から、広美は春香の匂いを感じていた。


-----


一通りの世話が済むと、
広美と春香は、ベンチの上で互いの身を寄せ合い始めた。
そして、寒さの突き刺さる肌の露出した部分を
互いにさすり合った。

いつもは、広美が春香から一方的に受けているこの行為であったが
今日だけは互いにやることができたのであった。
広美は、少し顔を紅潮させながら、可愛らしい春香の両脚や
細い二の腕を、スリスリスリと摩擦していた。

やがて、2人の少女は互いに抱きしめ合った姿勢のまま
鉄のベンチの上で夢に落ちたのであった。


-----


自由を満喫した一日は過ぎ、次の日の朝。
廊下にひびく、看守たちの足音で広美と春香は目を覚ました。

「広美ちゃん・・・私、広美ちゃんの拘束をやめてもらえないか頼んでみる」

「春香ちゃん、いいんだよ。 気にしなくて。
 それに、そんな事を言って、春香ちゃんが酷い目に遭わされたら・・・」

そんなやり取りをしているうちに、鍵がガチャガチャと鳴り、牢の扉が開く。
いつもの2人の看守が、ツカツカと牢の中に入ってきた。

「小娘、拘束の時間だ。」

看守がそう言うと、広美は諦めた表情で、いつもの吊り手枷の下に
自らの足で歩いて行った。

吊り手枷の下まで行くと、広美はグーに握りしめた両手を頭上に上げて、
バンザイの姿勢を取った。
鳥肌の立った、半袖の華奢な両腕がピンと頭上に延ばされた。

そして両足をつま先立ちにして、手首が鉄枷に重なる位置まで
高く体を持ち上げた。広美の両目は、覚悟を決めたように閉じられていた。
こうして、広美は自ら吊り手枷に繋がれる姿勢になった。

広美は、その姿勢を保ったまま、看守に言った。

「看守さん、
 いつものように、私のことを鎖に繋いで下さい。」


ル広美-繋がれる姿勢
(画像提供:ル様)


その様子を見た春香が涙ながらに懇願する。

「看守さん、広美ちゃんを吊るさないであげて!
 あまりにも酷すぎます!」

鋼鉄製の吊り手枷は、少女を牢に縛りつけるにはあまりに過酷な拘束具であった。
大人の犯罪者であっても根を上げるであろう、この辛い拘束を
何故、華奢な広美が受けなければならないのか。
春香は憤っていた。

看守の一人が冷徹に答えた。

「この小娘には、魔女の疑いがかかっている。
 厳重に拘束するようにとの命が降りておるのだ。」

春香は諦めずに懇願を続けた。

「広美ちゃんは魔女なんかじゃありません!
 そんなに女の子を吊るして虐めたいのなら、私を吊るして下さい!」

ついに春香は、自分が広美の身代わりになるとまで言い出した。

自ら拘束される姿勢を取っていた広美は、その言葉を聞いて
鳥肌の立つ半袖の両腕を頭上にピンと延ばしたまま、
春香を説得しはじめた。

「春香ちゃん、ありがとう。
 でも、私は大丈夫だから、気にしないでいいんだよ。

 今日は春香ちゃんと遊べて本当に楽しかったよ!
 もう暫くは、一緒に遊ぶことはできないだろうけど
 ここで毎日会えるんだから、元気を出して!」

そう言って、春香のことを落ち着かせようとする広美。
広美だって、もちろん鎖に繋がれるのは嫌だった。
毎晩、この手枷に吊られたまま夜を過ごし、
両手が自由になる夢を何度見たことであっただろうか。
だけど、抵抗して暴れるような姿を春香には見せたくなかった。

春香は、広美に説得されるとコクコクとうなずき
そのまま俯いて静かになってしまった。泣いているようだった。

春香の抗議が一段落すると、
看守たちは、いつものように広美の両脇に移動し、
自分からバンザイの姿勢になった広美の華奢な両腕を少し乱暴に掴んだ。

その際に、看守の一人が広美の華奢な腕を少しさすった。
少女の柔肌を楽しみたかったのか、酷寒の地下牢の中で、半袖姿のまま
鎖に吊られようとしている少女囚への同情によりものなのかは分からなかった。

看守達は、広美の両腕を吊り手枷の嵌る位置までますます高く引き上げて、
分厚い鉄枷の内側に、広美の細い手首をあてがった。
そして力を込めて、ガチリと枷を閉じて施錠したのであった。

鉄の輪はとても狭く、広美の華奢な手首に激しく食い込んだ。
1日ぶりに味わう苦痛に、広美は一瞬顔をしかませた。

広美の拘束が終わると、今度は春香の番だった。
看守が鉄枷を取り出すと、春香は目の涙を一回拭ってから
握りしめた両手を前に差し出した。
春香の華奢な両手に、重々しい鉄の枷がガチャリと嵌められる。

両手の拘束が終わると、春香は看守に両肩を捕まれて、
自分の牢へと引き立てられていこうとした。
広美の牢から出る直前、春香は

「・・広美ちゃん、またお世話をしに来るからね!」

と広美に暫しの別れの挨拶をした。

それを聞いた広美も、「・・うん! また今度ね!」
と春香に告げた。

2人とも、明るく挨拶をし合うことで
過酷な運命に耐える親友を励まし合っているかのようであった。

こうして、鉄鎖に縛られた少女たちの
ささやかな休日は終わりを告げたのだった。
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